ゴールデンウイーク(GW)明けの日経平均は、10連休中の海外市場と為替相場の動向次第ながら、堅調な展開が見込まれる。連休期間中には4月30日からのFOMC、5月3日に米4月雇用統計、8日に中国4月貿易収支、9日に米3月貿易収支と米中での主要経済指標、金融政策イベントが目白押しとなっていることから、その影響を予想するのは難しい。しかし、25日の日本銀行の金融政策決定会合で、現状の金融緩和策の継続を明確化し、保有するETF(上場投資信託)を一時的に市場参加者に貸し付ける制度導入を検討すると発表したことは、相場全体の下値不安を後退させる大きな効果につながってきそうだ。
加えて、企業決算の発表でも、全体相場の底堅さを期待させる動きが表面化している。前3月期に当期利益ベースで6年ぶりの減益となった日本電産<6594>は、今期は2期ぶりの最高益更新見込みと発表し株価は高値圏でもみあう展開となった。また、市場コンセンサスを下回る決算と大幅減益を発表したファナックも、大幅な株価の下振れを回避している。8日のトヨタ<7203>、9日のパナソニック<6752>、ソフトバンクグループ<9984>の決算を波乱なく通過してくれば、より全体相場は底堅さを増してくる事になりそうだ。
このほか、4月30日に天皇陛下が退位(退位礼正殿の儀)され、5月1日に皇太子殿下が新天皇に即位(剣璽等承継の儀・即位後朝見の儀)され、「令和」相場の初日はご祝儀ムードも台頭するだろう。また、マーケットの関心は薄らいでいるものの、米中貿易協議が30日から米国のライトハイザー通商代表部(USTR)代表とムニューシン財務長官が北京を訪れて開催される。5月8日からはワシントンでの協議が組まれており、最終決着に向けたニュースが出てくれば、日経平均の上値を慕う材料として働きそうだ。日経平均はテクニカル的に見ても5日移動平均線がしっかりと下値をサポートし、上昇中の25日移動平均線が200日移動平均線に迫っている。昨年12月3日の高値フシ22698.79円がGW明けは意識されてこよう。
今週と5月第2週(6日から12日)の主な国内経済関連スケジュールは、5月1日に皇太子殿下が新天皇に即位、改元「令和」に、週が変わって7日に4月新車販売台数、8日に3月14日・15日の日銀金融政策決定会合議事要旨、4月マネタリーベース、10日に3月全世帯家計調査・消費支出、オプションSQが予定されている。
一方、米国など海外経済関連スケジュールは、29日に米3月個人所得・消費支出、30日にFOMC(5月1日まで)、米2月S&PコアロジックCS住宅価格指数、米4月シカゴ購買部協会景気指数、中国4月製造業PMI、ユーロ圏1-3月期GDP、5月1日に米4月ADP雇用統計、米4月ISM製造業景況指数、米3月建設支出、3日に米4月雇用統計、米4月ISM非製造業景況指数、ユーロ圏4月消費者物価指数、週が変わって6日にユーロ圏3月小売売上高、8日に中国4月貿易収支、9日に米3月貿易収支、米4月卸売物価指数、中国4月消費者物価指数、10日に米4月消費者物価指数、米4月財政収支が予定されている。