投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が4月29日~5月10日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週・来週(4月29日-5月10日)のドル・円は底堅い展開か。東京市場は4月27日から5月6日までの10連休で市場参加者は減少し、市場流動性も低下することから、為替相場の乱高下が警戒される。焦点は米連邦公開市場委員会(FOMC/4月30日-5月1日)と米4月雇用統計(5月3日)。FOMCの会合では政策金利は据え置きの公算で、その後の声明やパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見が注目される。
米国の経済指標は強弱まちまちで、年内利上げゼロの観測は続く。ただ、3月までの腰折れ懸念は一服しており、想定ほど弱気でない可能性もあろう。その際には利下げ観測は後退し、ドル買いに振れる見通し。大型連休を無難に通過すれば連休明けの株式市場でご祝儀相場が見込まれ、株高・円安方向に振れやすい展開となりそうだ。
それらのほか、英中央銀行金融政策委員会(5月1-2日)、ユーロ圏消費者物価指数(5月3日)など欧州発のリスク要因も警戒される。足元はオーストラリアやカナダなどでも減速懸念が広がり、安全通貨としてドルが選好される可能性があろう。
一方、米国企業の決算発表が本格化し、主要企業の減益が見込まれる。それが株価に反映された場合、ドル売り材料になるだろう。ドル・円は24日に4カ月ぶりとなる112円40銭まで水準を切り上げたが、利益確定売りや戻り待ちのドル売りが観測され、112円台は引き続き下押しされやすい。
【米・3月個人消費支出(PCE)】(29日発表予定)
29日発表の米3月個人消費支出(PCE)のコアデフレータは前年比+1.7%と、前回の+1.8%から下振れの見通し。連邦準備制度理事会(FRB)の目標でもある前年比+2.0%を下回り、今年の利上げゼロが意識されやすいだろう。
【米・連邦公開市場委員会(FOMC)】(4月30日-5月1日開催予定)
5月1日にFOMC後の声明が発表され、パウエルFRB議長が記者会見する。今回は政策金利据え置きの公算。引き締め観測は後退しているものの、強い経済指標もあり景気認識が注目される。
【米・4月雇用統計】(5月3日発表予定)
5月3日発表の4月雇用統計は、失業率3.8%(前回3.8%)、非農業部門雇用者数は前月比+18.5万人(同+19.6万人)、平均時給は前年比+3.3%(同+3.2%)と見込まれる。半世紀ぶりの低失業率を維持できるかがポイント。
【米・4月消費者物価指数(CPI)】(5月10日発表予定)
5月10日発表の4月消費者物価指数(CPI)は前年比+1.8%は前月を小幅に下回るものの、コア指数は同+2.1%と前月の+2.0%から強い内容が見込まれる。ただ、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測は浮上せず、ドル買いは限定的に。