キャリア

出向社員たちが見た親会社との“格差” 待遇だけでなく意識、人間関係も

親会社に就職するか、グループ会社に就職するかで、その後の社会人人生も変わる?(イメージ)

親会社に就職するか、グループ会社に就職するかで、その後の社会人人生も変わる?(イメージ)

 会社運営上の税制優遇や、運営コスト削減を目的に作られるのが、子会社や関連会社などといったグループ会社。大手のグループ会社ともなれば、事業も安定し、給与や福利厚生の水準も比較的高いイメージがあり、就職先としても人気がある。果たして、その実態はどのようなものなのだろうか。グループ会社で働いた経験を持つ現役会社員たちにその実情を聞いた。

同じ仕事をしているのに、給与水準が全く違う

 ある大手代理店のグループ会社で勤務している20代女性・Aさんは、職場の環境や仕事の内容については満足しているという。親会社とは互いに出向や常駐をしあい、事業を支え合うことから、親会社社員の「同僚」として扱われることも多い。

 ただ、どうしても親会社とグループ会社との違いで避けて通れないのが、給与などといった待遇面の問題だ。

「同じ仕事をしているのに、そもそもの給与水準が全く違う。私生活でのお金の使い方で、それを感じることが多いです。親会社社員は若手でも高給取りなので都内の一等地に住む反面、グループ会社の社員は少しでも安い家賃で、都心からは少し離れた街に住むことが多いようです。特に役員クラスになると、給料の格差は歴然としています。また待遇面では、グループ会社では、親会社と祝日取得の制度が全く異なっていました。親会社社員が全員休みを取っている日に、グループ会社の社員が働いているということもありました」(Aさん)

 活躍が認められると、数年間の期限付きで親会社に出向する社員も多い。それらの社員には共通する特徴があったという。

「任期を終えて帰任すると、少し上から目線というか、“本社(親会社)ヅラ”をして帰ってくる社員が多いんです。例えば、“本社ではこんな質の低い仕事はしない”というような発言で苦言を呈すとか……。一度親会社を見てしまうと、グループ会社にそのまま戻るのが嫌なのか、別の会社に転職していく人も少なからずいました」(Aさん)

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