親会社組の方が“素直で洗練されている”
Bさん(20代・男性)は、ある民放テレビ局のグループ会社に入社したばかりの新入社員。親会社の新入社員と合同での座学の研修も経験した。同期社員として仲良くしているが、親会社に就職できた人との違いにも気がついたという。
「親会社に就職した同期は、3月まで大学生だったと思えないぐらい、スーツ姿がシュッとしていて、雰囲気も洗練されています。体育会で真っ直ぐに育ってきているからかイケイケで、ひねくれている人が少ない印象。みんな明るくハキハキと自信に満ちた話し方をする。研修をしてくれている先輩社員に対して、親会社組は活気ある派手なリアクションをしているのに対し、グループ会社の新卒は後ろの席でノーリアクション。覇気やオーラが圧倒的に違います」(Bさん)
系列の新聞社との合同での新卒研修には、グループ会社の新卒は呼ばれなかった。そのような悔しさはあるが、親会社組には経験できない、専門性を求められるグループ会社ならではのチャンスも感じているという。
「本社(親会社)では、アナウンサーや技術職以外の配属先はこれから。例えば花形のドラマやバラエティなどは人気も高く、最初から希望通り配属されない可能性も高い。対してこちらは、最初から自分が志望していた番組制作の仕事ができる。これからどんどん専門性を磨いていきたいです」(Bさん)
出向組がグループ会社で感じた“文化の違い”
では、親会社から出向した経験を持つ人たちは、両者の違いをどのように感じているのだろうか。ある大手メーカーに勤める40代女性・Cさんは、30代の頃に子会社へ数年間の出向を経験したことがあるが、出向して早々、文化の違いに驚いたという。
「子会社は、派遣社員・契約社員・出向組が入り交じるためか、とにかく人間関係が面倒でした。職場でのほとんどのトラブルは、人間関係によるもの。トイレで派遣や契約の社員さんたちが『私の方が働いているのに、誰々さんの方が(上司に)ひいきされる』といった愚痴大会を開いている場面に何度も遭遇したことがあります。
また、出向組の男性社員が“取り合い”になることも多いようで、ある男性社員が労いのために同じチームの女性社員をランチに誘ったところ、“狙ってるのか”“セクハラでは”など、あっという間に妙な噂が広がりました。女性同士のマウンティングによる喧嘩も多く、出向組だった統括リーダーは、人間関係の調整で疲弊。『あの人が嫌いだから席を替えてくれ』というような低次元の文句まであったんです。ついにメンタルを病んで異動願いを出し、受理されていました」(Cさん)