価値観が近い人同士で交流する、今の時代にあった他者との関わり方
メディア関連の仕事を行う30代女性・Bさんは、今までに複数のオンラインサロンに参加していた。
「2017年頃に、初めてオンラインサロンに参加しました。まずどんなものかを知りたかったのと、主催者が当時担当していたプロジェクトの著者に関心があったから 。大きなプロジェクトの一員になりたい人もいれば、イベントを主催する人やその業界で名を上げたい人もいたり、フットサルなどの部活動に精を出したい人もいる。まるで、毎日が文化祭のように活気があったことを覚えています」(Bさん)
しかし、Bさんはそのサロンを数か月ほどで退会した。
「オンラインサロンは時期によって、活動内容が停滞することもあることがわかりました。もともと、特にやりたいことがあったわけでもなく、友達が欲しかった訳でもない。入ったきっかけとなったプロジェクトが終了と同時に退会しました」(Bさん)
現在、Bさんはとあるエッセイストが主催するオンラインサロンに参加している。活動内容はオンライン上で、著者本人の発信を見たり、意見交換が出来るというものだ。参加者同士の共通項は少ないが、価値観が近い人が多いと感じている。
「以前参加していたサロンは、お祭り感や勢いはあったけど、ずっと続けるのはしんどい。いま参加しているオンラインサロンは、それぞれが自身の価値を高めながら、お互いを認め合っている雰囲気がある。誰かの意見に対して反応してもいいし、反応しなくてもいい。今の時代に合った他者との関わり方の出来るサロンで、とても居心地がいいんです」
今後オンラインサロンへの参加を検討している人は、どのようなことを留意したほうがいいのだろうか。前出・Aさんはこう語る。
「その分野で成功したいのか、横のつながりがほしいのかなど、参加するための目的と期待する結果が一致することが重要です。ほとんどのオンラインサロンは、お金さえ払ってしまえば入会できてしまう。長く参加すればするほど、人間関係が出来あがってしまって、辞めにくい。オンラインサロンに参加する目的が明確であれば、ミスマッチを減らして楽しむことが出来るでしょう」
普通の生活をしていては決して集うことのない人々が、時間や場所に関わらず交流し、新しい人間関係を構築できる。有料のオンラインサロンに参加する人たちは、お金を払ってでもそうした経験をできることに価値を見出しているのだろう。