定年を機に旧交を温めようと久しぶりに同窓会に出てみようと考える人は少なくない。
「家で夫婦2人きりの生活になったが、妻は友達としょっちゅう出かけるのに、自分にはあまり友達がいない。付き合いを増やさなければと思って、同窓会に出てみたのだけど……。
思い出話で盛り上がったのは最初のうちだけ。だんだん“やっていた仕事”とか“前の肩書き”の話題になって、ちっとも面白くない。みんな暇だからしょっちゅう同窓会の誘いがくるけど、もう行く気がなくなった」(65歳男性)
こんな思いをしているのは、この男性だけではない。介護ジャーナリストの小山朝子氏が指摘する。
「友達が多くいれば幸せかというと、必ずしもそうではありません。交友関係が増えれば、その分煩わしさが増えるとも言えます」
実際に、三菱総合研究所の調査では「友人が3~5人」の男性が「幸せな人」の54%を占めるという結果が出ている。
「交流する人数は、その人にとって適正な数でいい。無理をして多くする必要はないのではないでしょうか。高齢になってからの時間は貴重です。人間関係に思い煩うことなく、自分にとって楽しい時間を追求することをおすすめします」(同前)
※週刊ポスト2019年5月17・24日号