「家飲み」といえば、節約のためにやるものと思われる向きもあるかもしれないが、その一方で、「むしろ自由な飲み方ができて“店飲み”よりも楽しい」という意見もある。これまで25年ほど散々外で飲んできたネットニュース編集者の中川淳一郎氏も、最近になって家飲みにハマっているという。家飲みの魅力について、中川氏がレポートする。
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飲み屋に行くと、けっこう指定された食べ方・飲み方になるんですよね。それこそ、「味変」をしたい、と思ってもさすがにそれは店に失礼だ、と思ったりとか。「もう少し塩っけが欲しいのに……」とか、「あぁ、ここでカイエンペッパーがあったらもっとおいしいのになぁ……」とか。
あと、私はけっこうな頻度でタイに旅行に行くのですが、東南アジアではビールに氷を入れて飲むこともありますが、あれはさすがに日本の居酒屋ではできない。タイでは気温が高過ぎるから屋外にテーブルを出すような店では氷が必要、という面があるのですが、慣れてしまえば案外と氷入りのビールの方がスッキリしておいしいと感じられたりもします。
もちろん、泡を重視する名ビアホールのビールにそんなことはしませんが、自宅で缶ビールで飲む場合などは「まぁ、氷があってもいいのでは」ということで最近そうやって飲むのが好きになりました。いくらビールが好きでも、さすがに何本も飲むとクドくなってくるんですよね。氷入りだと、サッパリとした味わいでいくらでも飲めます。
家飲みの場合だと、新たなる酒に自由にチャレンジできる点もいいです。この5年ほど気に入っているのが「焼酎の三ツ矢サイダー割り」です。飲み会でビールをジョッキで何杯か飲むとさすがにくどくなってきて、レモンサワーとかグレープフルーツサワーみたいなスッキリしたものを飲みたくなりますよね。
そんな中、ある時、東京・下北沢の焼き鳥の名店でサワーを頼もうかと思ったら、確かこの店には三ツ矢サイダーがあったな……と思い、店員に「スイマセン、焼酎の三ツ矢サイダー割りってできますか?」と聞いたら「いいですよ」とのこと。