しかし、従来の人生ゲームに馴染んだ筆者のような大人からすると、「フォロワーが多いのがそんなに偉いのか」という気にならなくもない。それに、職業を選択したり、結婚・出産したり、家を購入したりすることがないから、「まあ、これは人生ゲームではないわな」とも思えてくる。
そこまで考えて、ふと立ち止まった。小学生のなりたい職業ランキングの上位には「ユーチューバー」がもはや常連だというではないか。それに結婚や出産が当たり前ではない世の中になってきてもいる。家だってもうだいぶ前から一生賃貸でOKという人もいれば、定住地を持たずにホテルなどを泊まり歩くアドレスホッパーのような生き方をする人も出てきた。
「これも新しい時代の人生なのかも」
だから、今の時代の空気を存分に吸って成長中の子どもたちは、すぐに新人生ゲームのシステムを受け入れられるのだろう。まさに新しい時代の雰囲気を見事にとらえた「人生ゲーム+ 令和版」。これが素直に楽しめる人は、まだまだ精神的に若いといえるかもしれない。
●取材・文/岸川貴文(フリーライター)