投資情報会社・フィスコが、株式市場の5月7日~5月10日の動きを振り返りつつ、5月13日~5月17日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は大幅下落となった。米中貿易摩擦の再燃と為替の円高から、週間では5週ぶりの反落となった。米国時間5日にトランプ米大統領が中国からの輸入品2000億ドル相当への関税引き上げを10日から実施すると表明し、米中通商協議への先行き懸念が再燃した。
10連休明け7日の日経平均は、6日のNYダウが一時470ドル超の下げから、66ドル安まで下げ幅を縮めて終了したことを受けて小幅安で寄り付いたものの、その後は下げ幅を広げる展開となり、大引けでは335.01円安の21923.72円と4月12日以来となる22000円割れに沈んだ。こうした中、ビジョンファンドの上場検討が伝えられたソフトバンクG<9984>の逆行高が話題となった。
ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が、中国からの輸入品2000億ドルに対する関税引き上げを10日に実施すると明らかにしたことで、7日のNYダウは一時648ドル安と急落、大引けでも473.39ドル安と続落した。これを受けた8日の東京株式市場は、円相場が1ドル=109円台への円高が進行したことも嫌気されてリスク回避の売りが先行した。トヨタ<7203>が決算を発表し一時的に買われる場面もあったが相場全体を押し上げるには至らなかった。
8日NYダウは9日からワシントンで始まる米中高官協議の行方を見極めたいとのムードから3日ぶりに小反発したものの、9日の日経平均は4日続落となった。米中協議の行方を見極めようとするムードの中、1ドル=109円台の円高となり、輸出関連株の下げが目立つ展開となった。米中貿易協議を前に警戒感が高まった9日のNYダウは一時449.94ドル安となったものの、トランプ大統領が習近平中国国家主席から書簡を受け取ったことが明らかとなり、週内に合意する期待感から前日比138ドル安まで下げ幅を縮めた。
一方、10日の日経平均は9日までの4日続落で905円強の下げ幅を見ており、前場は買い戻しと短期リバウンド狙いの買いが先行した。しかし、米国による対中追加関税の引き上げが予定通り発効されたことで、後場寄り直後に日経平均は先物主導でマイナスゾーンに転じ、昨年12月以来の5日続落となった。