富裕層が数多く暮らす東京・港区の麻布界隈。そこに住む“麻布妻”は、日常的にブランド品を購入している人も少なくない。中には信じられないほど散財して、夫から離婚を突きつけられた女性も……。自身も麻布妻でライターの高木希美氏がリポートする。
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景子さん(仮名)は、4歳と3歳の子供を持つ麻布妻です。結婚5年目。旦那さんとの交際期間は短く、出会って半年で結婚、すぐ妊娠しました。夫は飲食店などを多数経営する実業家です。最近会社の業績が良く、意気込んでいる忙しい夫を支えながら、2児をワンオペ育児しています。
「夫は土日も接待や付き合いが多いし、とにかく理由を付けて不在にしています。平日夜もほとんど家にはいません。完全にワンオペで、たまに家にいて手伝いを頼んでも『専業主婦の手伝いするほど、俺が暇に思える?』って言って、あんまり快く手伝ってくれない。頼む方がストレスになるので、いないものとして頑張っていました」
そう語る景子さん。夫も、夫の両親も「幼稚園に通うまで、他人に預けるのは許さない」というタイプだといいます。
「夫の会社はおかげさまで業績はいいし、収入は多いほうなので、ワンオペのストレスはお金で解決していました。例えば、疲れたら外食。半個室だから子連れで行けて、子供たちが好きなので叙々苑游玄亭に通ったり、出張マッサージを呼んだり、欲しい物も通販でしか買えないから、買って失敗しても返品が面倒でそのままウォークインクローゼットに積み上がってたり……」
ストレスを散財で解消していた景子さん。特にはまっていたのが、カバンや靴などのブランドモノを買うことでした。彼女は、部屋のように広いクローゼットの中の写真を見せてくれました。するとそこにはブランド品の数々が飾られています。
FURLAやイブ・サンローランのバッグ、VALENTINOの財布、BALENCIAGAのロゴが目立つトートバッグやリュック、GUCCIやCHANELの靴や帽子、ルイ・ヴィトンのミニリュック、フェラガモのカチューシャ、FENDIのウォレットチェーンなどなど。ハイブランドからお手頃ブランドまで、まるでデパートのようにまんべんなく収集しています。しかも、ほぼ未使用品。
「今はおしゃれして外出できないから、いつかこれ持って、これ履いて出かけたいなっていう気持ちを満たしてくれる物を買っちゃって。けど、夫は私を否定してきたんです。お金は頭が良くないとこんなに稼げないけど、たくさん使うのはバカでもできるって。それで口論になった際に『跡継ぎも必要だし親権は絶対渡さないけど、お前は出てけ』って離婚を突きつけられて……」