投資情報会社・フィスコが5月20日~5月24日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円はもみ合いか。具体的なドル買い材料が乏しいなか、米中貿易協議に関する不透明感が続き、米中協議の不透明感を背景に株安になった場合、リスク回避の円買いが強まり、ドルを下押ししそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)が22日に公表する連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(4月30日-5月1日開催分)が注目されそうだ。
この会合で、FRBは政策金利の据え置きを決定した。FOMC後の声明ではインフレに関する認識が弱いと市場に受け止められ、利下げ観測からドル売りが優勢となった。その後、パウエル議長はインフレ鈍化を一時的な要因とし、利下げ観測後退でドルは買い戻された経緯がある。ただ、タカ派色の濃い議事要旨であっても、トランプ大統領は引き続き利上げをけん制しており、追加利上げは困難との見方が広がっておりドル買い圧力はそれほど高まらないとみる。
一方、米中貿易協議は、トランプ政権が中国・華為技術(ファーウェイ)と同社の関連68社を政府の許可なく米企業から部品などを購入することを禁止する「エンティティーリスト」に追加した。半面、トランプ政権は自動車関税の導入に関し最大6カ月延期する方針を示すなど、柔軟姿勢による株価への配慮もみせており、株安につながる強硬姿勢を弱める可能性もある。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(22日公表予定)
22日に4月30日-5月1日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表される。景気認識などで強気な意見が多く出ていた場合、利下げ観測は後退しリスク回避のドル売りは縮小するとみられる。
【米・4月耐久財受注】(24日発表予定)
24日発表の米4月耐久財受注は前月比-2.0%と、前月の+2.6%を大きく下回る見通し。コア指数も下振れの場合は製造業の回復の遅れが懸念され、1-3月期国内総生産(GDP)改定値の下方修正に思惑が広がりそうだ。