トルコの利下げは実施されるか
続いてはトルコリラについて解説します。トルコではイスタンブール市長選のやり直しから“民主主義が失われつつある”と見られることもあります。
夏場にかけてトルコの利下げも懸念されていますが、結論から申し上げると「利下げはない」と考えています。
かつてトルコリラ円が28円台のころに、政府は様々な金融政策を実施しようとしましたが、功を奏さず、18円まで下落してきています。
28円台でその有様なのに、今の水準で利下げを行うと余計に混乱してしまうことは目に見えています。そのため、利下げはないのではないか、と考えるのが自然でしょう。
25円程度まで戻れば、可能性としては出てくると思っていますが、あくまで可能性が出てくる程度でしょう。トルコという国も大国であり、無策で今の経済状況に陥ったわけではありません。国家財政を立て直すためにアメリカのコンサルタント会社に相談する等、なんとか対策を打つべく行動もしています。
余談ですが、トルコ国内には金を売買する店舗が数多くあります。トルコは国家として金を保有しているのですが、その金を証券化して販売するような案もあったそうです。
またこのようにマーケットの目線が利下げを心配するなど、不安感が広がっている時こそ、相場は底を打つものです。
私の経験上から、皆が不安になっているときに一緒に不安になって何もしないでいると、いつまで経ってもトレードで大きな成果は出せません。相場の世界は「8割以上が負ける」と言われますが、その言葉には、このような心理的側面が関わっているのではないでしょうか。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)