同じくIT企業に勤める20代男性・Bさんも上司との1対1面談を行っている。しかしBさんは、その内容に不満も感じているという。
「悩みや相談がある時にはよいのですが、順調な週も多い。その時は形式だけ面談して、2分、3分で終わります。また、上司が仕事で忙しい時などは、1分、2分ほどで無理矢理終わらせられることも……。話したという既成事実だけを作って、マネジメントをした気になっているとしたら、本末転倒です。
同僚とも、上司とどんな話をしたのか、共有し合います。そこで、同僚女性の1on1の時には、プライベートまで踏み込んだ楽しそうな話をしたことなどを聞くと、部下の好き嫌いで扱いを分けているのではないか、とモヤモヤした気持ちになります」(Bさん)
転職し、管理職になったばかりの30代男性・Cさんは、かつて自身が役職者になる前は、上司と1対1で面談することに意味を見出せずにいたと明かす。
「以前の職場では、上司と業務外の会話をする機会は月に1回あればいいぐらい。話すことといえば社内での噂話がほとんどで、成長につながるようなアドバイスをもらうこともありませんでした。正直上司と話すのがイヤだったので、なるべく時間をともにしないように工夫していたくらいです」(Cさん)
Cさんが転職した企業でチームを任されるようになると、まず導入したのが1on1だった。
「会話量を増やさないと、上司と部下との関係が機能不全になる。お互いの考え方の違いを埋めないと、部下の気持ちが離れて、取り返しのつかない状態になる。前職での失敗を活かして、まずは部下と会話する機会を増やしています。プレイングマネージャーとして業務に追われることも多いですが、週一度部下の業務進捗や悩みを聞いて、ズレを細かく軌道修正しながら、チームとしての競争力を上げて行こうと思っています」(Cさん)
週に一度は時間を作り、互いに向き合う1on1ミーティングは、今後も様々な企業で導入が進んでいくと思われる。