前回とは異なり、不動産やハイリスクの事業投資などで運用されているわけではない。これまでは、残高が増えたとしても、中国人民銀行の監督管理もしっかり行われているので問題はないと考えられてきたが、最近になってそうでもないことが明らかになりつつある。
銀行が販売する商品であるからといって、安全な商品であるとは限らない。例えば、新浪財経によれば2016年4月16日から4月22日に販売された銀行理財商品は762本で平均想定利回りは4.02%である。江蘇銀行の発行する理財商品は債券、貨幣市場での運用で期限42日、最低買付金額5万元で想定利回りは5.60%である。
現在の1年物定期預金金利は1.50%に過ぎない。債券やインターバンク市場などでの運用で4%を超える利回りをたたき出すのは不可能に思える。
一般に債券は株式と比べ、ローリスクの商品ではあるが、それでもハイリスクの社債は存在する。そうした社債で運用することによってハイリターンを実現することができる。
ただ、単にそうした社債を買うだけではなく、現先取引に出し、一旦資金を回収し、回収した資金で再び社債投資を行う。何度かそうした取引を繰り返す。社債価格が上昇すれば、レバレッジをかけているのだから、当然大きな利益が得られる。
しかし、これは社債市場が上昇トレンドにあるような時期でしか上手くいかない。逆に下落トレンドとなれば、大きなレバレッジをかけている以上、元本割れを起こすリスクがある。