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日銀のマイナス金利 撤廃されるのは「7年後」か

日本銀行

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4月28日に行なわれた日銀の金融政策決定会合で、日銀による追加金融緩和が見送られた。マーケットのコンセンサスは、追加緩和を想定していたため、期待が裏切られた格好となり、株価は大幅に下落、為替は円高が進んだ。

一方、債券相場は落ち着いた展開となり、長期金利の指標となっている10年国債の利回りは、前日比-0.015%の-0.085%(終値)となった。目先の追加緩和が見送られても、ゆくゆくは実施されるだろうという、比較的冷静な“読み”が働いたといえるだろう。

ここで、債券市場は日銀のマイナス金利政策がいつまで続くと見ているのか、検証してみたい。検証の材料とするのは、「フォワードレート」である。

「フォワード」とは「将来」という意味で、フォワードレートを直訳すると「将来の金利」という意味になる。金融の世界では、「将来のある時点から一定期間後の金利」という意味で使われ、「1か月後から1か月間のフォワードレート」とか、「3年後から1年間のフォワードレート」といった具合いに使われる言葉だ。

ここでは、1年後、2年後、3年後……10年後の、それぞれ1年間のフォワードレートを見てみよう。複雑な計算式は省略するとして、それぞれのフォワードレートを計算してみると、次のようなことがわかる(財務省が発表している4月27日の各期間の国債利回りを用いた)。

・6年後までのフォワードレートはすべてマイナス圏
(ちなみに6年後からの1年間のフォワードレートは-0.074%)

・7年後以降のフォワードレートはすべてプラス圏
(7年後からの1年間のフォワードレートは0.1790%)

この結果から導き出せるのは、「7年後くらいには、日銀がマイナス金利を撤廃していると、金融市場が想定している」ということだ。裏を返せば、今後7年程度はマイナス金利が継続することになる。

マイナス金利を、金融政策としては一時的な“奇策“と捉えている人も多いかもしれない。だが、予想外に長引くと考えておくべきだろう。これからの資産運用にも、こうした観点が必要となってくるのではないか。

文/松岡賢治(ファイナンシャルプランナー・ライター)

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