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【日本株週間見通し】日経平均4週連続安、戻りの勢いは限定か

 今週の日経平均は短期的なリバウンドが期待されるものの、戻りの勢いは限定されそうだ。ゴールデンウイーク明けの4週連続安で日経平均は値幅にして1650円超下げており、名実ともに月替りで、相応の反発があってもおかしくない。ただし、外部環境に支援材料は少ない。華為技術(ファーウェイ)問題がくすぶる中で、中国側の対抗措置としてレアアース輸出制限措置が浮上、追い打ちを掛けて米国によるメキシコ製品への課税問題が加わり、貿易摩擦の拡大による悪影響が深刻化している。

 こうしたなか、トランプ米国大統領は3日から6日にかけて英国、アイルランド、フランスを訪問予定で、貿易問題が欧州に飛び火することも警戒される。7日発表の米5月雇用統計は日本時間21時30分の発表で、その影響は翌週となるが手控え要因として働いてこよう。軟調地合い時に明らかとなる経済指標については、過剰反応となることもあり、3日の米5月ISM製造業景況指数、5日の米5月ADP雇用統計(発表時間はともに東京市場の大引け後)には注意が必要だ。

 また、日経平均はテクニカル的にも厳しい流れとなっている。29日以降は3日連続で5日移動平均線を下回って推移し、下降中の25日移動平均線は75日移動平均線を割り込んできそうだ。5月に入って下げに転じた13週移動平均線が頭を抑える形になっており、下げずとも戻せない状態が続くと、日経平均は20000円を下値意識する一段安のシナリオが現実味を帯びてくる懸念もある。6月第2週のメジャーSQを控える日程を踏まえて、全般は神経質な展開を強いられそうだ。

 一方、6月上旬の物色動向は一般的に個別株物色に傾斜する傾向がある。直近では自社株買い発表銘柄が人気化している。令和第1号のIPO銘柄となったバルテス<4442>の好スタートは明るい話題の一つだ。なお、翌週11日からは米国で世界最大のゲーム見本市「E3」がロサンゼルスで13日まで開催される。ソニーなどゲーム関連株や、見本市には参加しないものの任天堂<7974>の動向に関心が向く可能性がある。

 今週の主な国内経済関連スケジュールは、3日に1-3月期法人企業統計、5月自動車販売台数、4日に5月マネタリーベース、6日に5月都心オフィス空室率、7日に4月家計調査、4月毎月勤労統計調査、4月景気動向指数の発表が予定されている。

 一方、米国など海外経済関連スケジュールは、3日に米5月ISM製造業景況指数、米4月建設支出、4日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言、FRBは金融政策運営の見直しに向けた会議を開催(5日まで)、ユーロ圏5月消費者物価指数、5日に米5月ADP雇用統計、米5月ISM非製造業景況指数、ベージュブック、6日にECB定例理事会(ドラギ総裁会見)、米4月貿易収支、7日に米5月雇用統計、米4月消費者信用残高、端午節で中国、香港休場、8日G20財務相・中央銀行総裁会議(9日まで、福岡)が予定されている。

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