投資情報会社・フィスコが、株式市場の5月27日~5月31日の動きを振り返りつつ、6月3日~6月7日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落した。週間ベースでは4週連続の下げとなり、21000円台を割り込んだ。月間でもマイナスに転じた。
24日のNYダウが3日ぶりに反発したことを受けて、週明け27日の東京市場は堅調に始まった。ただ、27日の米国市場が休場で、日米首脳会談後の記者会見の内容を見極めたいとの手控えムードもあって日経平均は小幅高と伸び悩んだ。東証1部出来高は4月23日以来の10億株割れ、売買代金はおよそ4年5カ月ぶりの低水準となる1兆4713億円に低迷した。28日の日経平均は欧州市場が堅調だったことに加えて、東京エレクトロン<8035>の大規模な自社株買い実施が好感されるなどして日経平均は小幅続伸した。
3連休明け28日の米国市場は買い戻し先行で始まったものの、米長期金利の低下とトランプ大統領の対中関税の大幅引き上げ発言を嫌気してNYダウは大幅反落した。この流れを受けて29日の日経平均も3日ぶりの反落に転じた。米長期金利の低下とともに為替相場で1ドル=109円台前半まで円高が進んだことが嫌気された。日経平均は一時21000円を割り込んだが、日銀のETF(上場投資信託)買いもあり、大引けでは節目の21000円台に戻した。
貿易摩擦問題を巡り、中国が米国への対抗措置としてレアアースの輸出制限を検討していることが報じられた29日のNYダウは続落した。30日の東京市場はこの流れを嫌気して、日経平均は節目の21000円を割り込んでスタートし、大引けでも3月25日以来の21000円割れとなった。ただし、日経平均の下げ幅は前日比60.84円安にとどまった。上海総合指数が軟調で、指数先物に対する断続的な売りも観測されたが、前日の米国市場で半導体SOX指数が5営業日ぶりに反発し、東京エレクトロン、ソニー<6758>など優良株の一角が上昇したことが寄与した。
米長期金利の低下が一服し、金融株などに買い戻しが先行した30日のNYダウは3日ぶりに反発した。ところが、トランプ大統領が不法移民の問題を背景に、全てのメキシコ製品に5%の関税を発動するとしたことを受けて、米株価指数先物が時間外取引で下落すると、31日の東京市場は貿易摩擦拡大を嫌気して売り優勢で始まった。午前10時に発表された中国5月製造業PMI(購買担当者景気指数)が市場予想を下回る悪化をみたほか、後場は1ドル=108円台後半まで円高が進んだことが嫌気され、日経平均は下げ幅を広げて、2月8日以来の安値水準で大引けた。