その上、黒田日銀は「株価安定」のためにETF(上場投資信託)の買い入れを続け、今やETF市場の純資産総額の7割を保有するまでになっている。日本経済新聞(4月17日付)によると、日銀はすでに上場企業の23社で筆頭株主、5割で上位10位以内の大株主になったという。日本企業の多くが“国営企業”になりつつあるのだ。
その先には何が待っているか? 国債暴落だ。準備期間が2年で十分な新紙幣の発行を5年も前に発表したのは安倍政権の選挙対策だが、財務省には国債暴落に備え、新紙幣に切り替えるタイミングで1%の金融資産課税ができるようにしておこうという思惑があるのではないか。国民も、いつ到来しても不思議ではない国債暴落による国家破綻の危機に備えるべきである。
※週刊ポスト2019年6月14日号