特に近年、ホテルを中心とした建設ラッシュに湧く大阪中心部では、新しい建物が次々とできており、ホテル名やオフィスビル名を言っても運転手が知らないケースは少なくない。それに伴い似たような名前のビルも増えるため「“中之島セントラルタワー”に行ってほしいと言って、“中之島センタービル”に連れて行かれた」という話もよく聞く。配車アプリを使えば、そうしたトラブルを回避できるというのだ。
また、インバウンド対策としても有効に働いているという声もある。大阪在住の30代男性・Bさんが語る。
「海外の友人が日本に来た時、英語ができないドライバーのタクシーに乗っても、問題なくうちまで来られた。以前は心配して迎えに行ってたのですが、そんな必要もなくなった」
他国の観光地のタクシー運転手に比べて、英語ができるドライバーが少ないと言われる日本だからこそ、配車アプリが力を発揮するのかもしれない。
ドライバーを乗客が評価する制度が奏功か
その他には、“距離感の近い”大阪のタクシー運転手とのやり取りならではの面倒くささが減った、という声も出ている。
「年末にタクシーに乗ったら“ボーナス、なんぼやったん? ぎょうさんもろたんちゃうの?”と根掘り葉掘り聞いてきたり、車内での通話内容を聞いていて“今の相手、お得意先?”とやたら食いついてきたりと面倒くさいことが多かったけど、配車アプリで“よく喋る”という口コミがあるドライバーを避けて呼ぶようにしてるから、そういうイライラは減った」(50代男性)
「変なおっちゃんドライバーにあたると、延々おもろくもない身の上話を聞かされたり、セクハラまがいの下ネタを言われたり、どっちが客やねんって思うことが多かったけど、配車アプリ使ってからはそういうドライバーにはまだ当たったことがないし、安心できる」(20代女性)