投資情報会社・フィスコが、株式市場の6月10日~6月14日の動きを振り返りつつ、6月17日~6月21日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は小幅上昇した。週間ベースでは2週連続高となり21000円台を固める展開となった。
週初10日の日経平均は大幅続伸で始まった。米5月雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回り、利下げ期待が一段と高まったことを受けて前週末7日のNYダウが263ドル高となったことを好感した。米国がメキシコに対する関税引き上げを見送ったことも追い風となり、日経平均は5月29日以来となる21000円台を回復した。全面高商状の中、がん検査キットを年内にも承認申請と報じられた東レ<3402>の上昇が目立った。
NYダウの6日続伸を受けた11日の東京市場は、戻り待ちの売りが先行して小幅安スタートとなったものの、中国がインフラ投資を目的とした地方政府による債券発行を促す投資奨励策を発表しアジア株高となると上昇に転じ、日経平均は3日続伸となった。米国半導体株の上昇を受けて東エレク<8035>が上昇したほか、村田製<6981>などの電子部品株が堅調となった。
しかし、6月28日、29日の主要20カ国・地域首脳会議(G20)での米中首脳会談の開催が不透明となったことを嫌気してNYダウが7営業日ぶりに反落すると、12日の日経平均は4日ぶりの下げに転じた。朝方発表された4月機械受注の改善を受けプラスの場面もあったが、中国などアジア株が軟調な展開だったことも相場の重しとなった。
13日の日経平均も続落した。原油相場の下落に加え、米中貿易摩擦の動向、香港の条例改正案を巡る抗議行動の行方を見極めたいとの思惑が重なりNYダウが小幅ながらも続落したことで、日経平均は一時21000円を割り込む場面があったが、6月4日以来となる日銀のETF(上場投資信託)買いもあり大引けでは21000円台をキープした。