その後、今年4月からの異次元金融緩和を受けて長期金利は一時0.315%という過去最低を記録しましたが、ここ10年でみていくと、むしろ1%以下になることが異常といえます。そう考えていくと、長期金利は今後の短期金利の上昇を睨みつつも、概ね1~2%の間で推移していくのではないでしょうか。
問題はいつ上昇に転じるかですが、少なくとも2014年末までは金融緩和は続く予定ですし、加えていえばその間に消費税引き上げなどもあるため、景気回復がおぼつかない可能性もある。そのため、金融引き締めに転じて金利が上昇局面を迎えるのは、2015年以降にずれ込む確率が高いのではないでしょうか。
そこで求められるのが、金利水準の波に合わせた運用戦略です。現在のような低金利下では、なるべくいまの水準に縛られない「短期」のものにして金利の上昇に伴って乗り換えていくか、そもそも金利に連動して利回りが上がっていく「変動」を選ぶのが鉄則です。
逆に、金利が高水準にある時は、今後の下落局面を見越し、高金利の恩恵が長く続く「長期」「固定」のものに目を向けるべきでしょう。
●低金利下では「短期」「変動」
●高金利下では「長期」「固定」
この法則さえ覚えておけば、物価上昇に伴う資産の目減りは防げるはずです。
2つめのポイントは「『守るお金』を運用する金融商品をよく知ること」です。守るお金というと、預貯金が真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、大手銀行の定期預金でも金利は“スズメの涙”であることはいうまでもありません。