これはミニカーに限った話ではない。衣服やカメラ、釣り具など趣味だからこそ培われた「目利き力」で稼げる可能性はある。
細川さん(68・仮名)は定年後、趣味の陶芸を満喫するため田舎の自宅に窯を買った。多くの人と楽しもうと教室を開いたら、近所の人が集まるようになった。
「時間のあるシニアが集まって和気あいあいと陶芸を楽しんでいます。わずかですが手間賃をもらえて生活の足しになるし、何より楽しい。幼い孫たちが時々遊びに来て『じぃじ、じぃじ』と言いながら粘土をこねています」(細川さん)
必ずしも、高い技術やノウハウが、求められるわけではない。どんな趣味にも自分より後に始めた“初心者”がいる。そうした人たちに手ほどきするかたちで、“趣味で稼ぐ”は十分に実現し得る。
※週刊ポスト2019年7月19・26日号