ファーウェイ(華為技術)に対するアメリカ製品の輸出が一部解禁されることになった。6月29日に行われた米中首脳会談の後、トランプ大統領はアメリカ企業によるファーウェイへの部品販売などを認める考えを示している。
今回のようにトランプ大統領の一言ですべてが覆るといったアメリカ行政システムの仕組みを目の当たりにした以上、アメリカ企業の態度は一変しそうである。表面的な規制は残ったとしても、経営面から収益に対する優先度は高まり、迂回輸出を含め、いろいろな形で対策を講じることで、実質的には解禁に近い状態になるのではないかとみている。
5G技術に関しては、ファーウェイを中心とした一連の中国企業が、特許の面でも、チップ、ソフトウエア、システム、標準化などの面でも、グローバルで影響力を持っている。アメリカ政府が政治的な圧力を加えることで中国の台頭を抑え込むことは簡単ではない。世界全体で政治とは無関係に5Gへの移行が進むだろう。
5Gの実用化は既に、韓国やアメリカの一部で始まっており、中国でも下半期には始まる見通しである。投資家は、常に将来に視線が向いており、5Gといったテーマは目新しいものではなくなっている。関連産業の裾野はどの程度広がるのか、経済効果はどの程度なのかといった点で冷静な見方をする投資家も増えている。
5G時代には、まず、どのような需要が拡大するのだろうか。中国の事例をもとに、分析してみよう。
テンセントでは、“小程序(ミニプログラム)”と呼ばれる“ダウンロードすることなく、微信(WeChat)上で使用することのできるアプリケーション”が急増している。開発者に対して全面的にWeChatを開放。申請して簡単な審査に通りさえすれば、“月間アクティブユーザー数が11億1117万人(本土微信、海外WeChat合計、2019年3月31日)を超す対話アプリ”を通じて顧客にいろいろなサービスを提供することができる。2017年1月の開設以来、企業、政府機構、メディア、その他の組織、個人に至るまで開発者は増え続けており、微信に登録されたミニプログラムの数は2018年末時点で、230万件に達している。