トランプ大統領は、日本の参院選が終わるのを待っているのではないだろうか。思い起こすと、大阪G20の際、6月29日に米中首脳会談が開かれた。この米中首脳会談で交渉が決裂した場合に、米国は中国に対して追加の制裁関税を予定していた。
しかし、米中は貿易に関する交渉を再開することで合意し、米国の追加の制裁関税は回避された。
ただし、この時点で考えると、大阪G20の開催前と比べて、米中の状況は何も変わっていない。そのため、大阪G20が終われば、米国は手を緩めることなく中国に強い要求をするだろう、と予想していた。
ところが、米中の貿易交渉での進捗は、これといって特に報道されていない。もちろん、中国が、米国の思い通りに従うとは考え難いので、交渉は延々と続くことになるのだろうが、貿易交渉に関する報道がほとんどないことに、不可解を覚える。
そのため、冒頭に述べたように、トランプ大統領は、日本の参院選が終わるのを待っているのではないか、と推量する次第だ。
さらに振り返ると、トランプ大統領は5月に国賓として来日した際のインタビューで、「8月に日米にとって良い発表ができるだろう。貿易不均衡を早期に解決したい」と述べている。この発言は、7月の参院選が終わるまでは日米の貿易交渉に関して猶予する旨、トランプ大統領が、約束したことを意味するのではないか。
そして、いよいよ今週末(7月21日)に、参院選が控えている。大方の予想では、政権与党が改選過半数(63議席)を超える見通しだ。
現在の外国為替市場では、この情勢を既に織り込んで、為替レートが成立している。つまり、現在の為替レートは政権与党の勝利が織り込まれている状態であり、政権与党が過半数を割り込む場合は、サプライズになる、ということだ。