だが、2014年3月までに妻が亡くなった父子家庭には、遺族基礎年金が支給されないままだ。例えば、2011年に起きた東日本大震災で妻を失い、男手一つで子供を育てている父親は、遺族基礎年金を受けられない。また、遺族厚生年金に関しても、年齢制限という男女差が存在する。
「妻の死亡時に夫が55才以上でないと、夫は遺族年金を受け取れず、子供が受け取ることになります。それに対して妻が受給者の場合は年齢制限はありません。夫婦どちらでも実質的に支給はされますが、法的には55才未満の夫は受け取れません」
ちなみに、夫の死亡時に40才以上65才未満の妻で、生計を同じくする子がいない場合、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算が加わる。金額は遺族基礎年金の4分の3と決まっていて、2016年は、年間58万5100円になる。この制度も妻を失った夫には支給されない。
※遺族年金の対象は、遺族が年収850万円未満の世帯。中高齢寡婦加算は、遺族厚生年金と遺族基礎年金を受け取っていた子のいる妻が、子供が満18才に達したため、遺族基礎年金を受け取れなくなった場合にも加算される。その他、詳細は日本年金機構のHPなどでご確認ください。
※女性セブン2016年5月26日号