“長期投資”といわれると若い人向けのものに感じられるが「50代から始めても多大な恩恵を受けられる。ただし、iDeCoが使えるうちに、できるだけ早く始めるに越したことはない」(同前)のである。
別掲図は、「50歳から」iDeCoを始めたEさんと、「60歳から」つみたてNISAを始めたFさんを比べたものだ。それぞれ毎月2万3000円を10年間拠出し、同じ利回りで運用できた設定だが、Eさんのケースは年間4万1400円の所得税・住民税の軽減効果が10年間続いた。
「毎月同じ額を10年間積み立てるとしても、iDeCoの節税効果は圧倒的。投資で利益が出るかはリスクが伴うものですが、節税メリットは必ず享受できるので、できるだけ早くiDeCoを始めることが最も賢い選択です」(深野氏)
なおiDeCoの拠出は60歳までだが、運用は70歳まで可能だ。手元資金に余裕があれば、70代以降に向けてさらなる資産増も目指せる。早く始めたほうが、選択肢は広がるのだ。
※週刊ポスト2019年8月2日号