「公的年金だけでは、老後資金が2000万円足りない」という金融庁の報告書が取り沙汰されているが、いくら必要になるかどうかはさておき、人生100年時代において、早い時期から資産形成を意識するに越したことはないと考える若者は少なくない。将来の年金受給の見通しが不透明なアラサー世代は、来る老後に向け、どのように考え、準備しているのだろうか。
東京在住で20代後半の女性会社員・Aさんは、現在の会社に新卒入社して7年目になる。社会人1年目のとき、父親のすすめにより掛け捨て型の生命保険と積立型の個人年金保険に加入し、毎月1万円以上支払っている。
「NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)にも加入したいと思いますが、どの証券口座を開設するかから考える必要がある。老後資金や今後の人生設計について向き合わないといけないのは分かっているのですが、手続きの面倒さを思うと、後回しになっているのが実情です」(Aさん)
30代前半の男性会社員・Bさんは、現在、妻と息子とともに関西地方で暮らしている。勤める大手の通信企業には企業年金制度がないため、若い頃から資産形成を意識しながら、老後の対策を行ってきた。
「毎月の生命保険の支払いをはじめ、株や確定拠出年金、投資信託など一通りの方法で資産運用を行っています。子供が留学したいと言い出したり、親が急病になったりする可能性もある。そういった不安もあり、資産運用しながら、万が一の出費に備えています。節税対策だけでなく資産にもなるので、ワンルームマンションへの投資もやってみたいと考えています」(Bさん)