23日のNYダウが続伸した流れを受けて、24日の日経平均も続伸に向いた。時間外取引で米国の半導体大手などが決算を受けて上昇したことから、半導体関連株のアドバンテス<6857>が4月高値を更新、電子部品株の村田製<6981>や太陽誘電<6976>が大きく上昇したことが日経平均の上昇に寄与した。
24日の米国市場はNYダウが3日ぶりに反落したものの、欧州中央銀行(ECB)理事会や翌週の連邦公開市場委員会(FOMC)での金融緩和への期待から、S&P500及びナスダック総合指数は上昇に転じ、過去最高値を更新した流れを受けて25日の日経平均は3日続伸となった。アドバンテスト<6857>がストップ高に急伸し、信越化学<4063>や日本電産<6594>などが決算を好感して買われた。
欧州中央銀行(ECB)理事会で利下げ見通しが示されたものの、テスラ、フォード、化学大手のダウの業績が嫌気されて25日のNYダウが続落すると、週末を迎えた26日の東京市場も全般売りが先行した。決算内容を嫌気された日産自動車<7201>、オムロン<6645>、ディスコ<6146>などの下げが目立った。
今週の日経平均は引き続き戻りを試す流れとなりそうだ。週末26日こそ失速したものの、先週の日経平均は7月に入ってのもみあい上値レンジを突破する姿勢を見せた。前日のECBの金融政策の維持とドラギ総裁の会見が市場に与える影響が限定的となるなか、為替が1ドル=108円台半ばで安定的に推移していることが下支えとなっている。
今週は30日からのFOMC、31日のFRB議長会見、8月2日の7月雇用統計と米国の金融・統計イベントを控えており、想定される利下げ後のNYダウと為替相場の動きが東京市場の上値追いのカギを握っている。波乱要因があるとすれば、31日発表が予定される中国7月製造業PMI、ユーロ圏4-6月期GDPで、景況感の悪化が意識されると相場の下押し材料となってくる。
テクニカル面で見た日経平均は、上値のフシとなっていた7月12日のSQ値21742.57円を25日に終値ベースで上回った。26日の反落で反転基調を鮮明にしたところまではきていないが、きっかけ次第で5月連休明けのマド埋め(21875.11円)が焦点となってくる。このマドを埋めてくれば22000円へのトライが意識されてくる。一方、下は上昇してくる21600円近辺の5日移動平均線がポイントで、この5日線を割り込まない限り上値追いトレンドと判断できる。
物色的には、半導体関連株の上昇が今週の日経平均浮上の立役者だったが、その買いがほぼ一巡する来週は次の主役探しの展開に移る。エムスリー<2413>やNRI<4307>といったIT関連に好業績銘柄が目立ち、株価の感応度も高いことはひとつの手掛かりだ。
また、主力企業の決算発表では、29日にファナック<6954>、30日にソニー<6758>、任天堂<7974>、アンリツ<6754>、31日にパナソニック<6752>、村田製作所<6981>、TDK<6762>、みずほ<8411>、8月1日に三菱商事<8058>、KDDI<9433>、2日にトヨタ<7203>、ホンダ<7267>が予定されている。年初来の高値圏にあるソニー、任天堂に好感される動きが出てくれば、物色ムードは好転してくる。また、アンリツの決算次第では「5G」テーマの人気が復活する期待がある。
今週の主な国内経済関連スケジュールは、29日に日銀金融政策決定会合(30日まで)、30日に黒田日銀総裁会見、日銀「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)、6月失業率・有効求人倍率、6月鉱工業生産、31日に7月消費者態度指数、8月1日に7月自動車販売台数、2日に7月マネタリーベース、6月19日・20日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨がそれぞれ発表される。
一方、米国など海外経済関連の主要スケジュールは、30日にFOMC(31日まで)、米6月個人所得・個人支出、米5月S&PコアロジックCS住宅価格指数、米6月中古住宅販売仮契約、米7月CB消費者信頼感指数、31日にパウエルFRB議長会見、米7月ADP雇用統計、中国7月製造業PMI、ユーロ圏4-6月期GDP、8月1日に米7月ISM製造業景況指数、米6月建設支出、2日に米7月雇用統計、米6月貿易収支、米6月製造業受注が予定されている。