しかし、トランプ大統領が、対中制裁関税「第4弾」を9月1日から課す計画を発表して、1日のNYダウが大幅続落すると、2日の東京市場も全面安商状となった。一時1ドル=106円台となる急速な円高も嫌気されて、日経平均は下げ幅を広げる展開となり、取引時間中として7月18日以来となる21000円割れの場面もあった。午後の取引時間中に第1四半期(4-6月)決算を発表したトヨタ<7203>の営業利益は8.7%増の7419億円となり、一時買われる場面があったものの、その後は値を消した。一時580.90円安を見た日経平均は453.83円安の21087.16円と21000円台をキープして大引けた。
今週の日経平均は21000円ラインの攻防を意識しつつも、下値模索の展開となりそうだ。6月下旬のG20(主要20カ国・地域)サミット以降の米中貿易摩擦の休戦が、1日に伝えられた米トランプ大統領による対中制裁関税第4弾の発動指示で事実上瓦解し、米中貿易摩擦が再燃している。8日には中国7月貿易収支、9日に中国7月消費者物価・生産者物価と中国の経済指標の発表を控えており、ネガティブなデータが出ると、弱気に傾斜している株式市場も過剰な反応を示す懸念がある。
米議会下院と英議会が7月26日から夏季休暇に入り、米議会上院も8月4日から9月8日までの夏季休暇に入る。東京株式市場もここから16日近辺までは市場参加者と市場エネルギーが減少する「夏休みモード」が意識される期間に入ってくる。山の日の振替休日による3連休を控えていることもあり、薄商いの中でNYダウや為替の動向に神経質な展開となる可能性が強い。
また、需給面でのイベントとして7日に予定される「JPX日経インテックス400」構成銘柄の定期銘柄入れ替え発表も撹乱要因だ。昨年の定期入れ替えでは、25銘柄が除外され26銘柄が新規採用された。今回の定期入れ替えにおいて一部で事前予想されている候補銘柄は、除外でレオパレス21<8848>、GMOインターネット<9449>、アダストリア<2685>など。一方、採用ではシャープ<6753>、トクヤマ<4043>、日本マクドナルドホールディングス<2702>、東海カーボン<5301>などが候補として上がっている。2018年、2017年と8月7日の「JPX日経インデックス400」構成銘柄の定期入替発表後に日経平均がともに4日続落となっており、需給波乱には警戒が必要だ。
決算発表については9日が約694銘柄のピークとなる。主要銘柄では6日にNTT<9432>、7日にソフトバンクグループ<9984>、8日に楽天<4755>、富士フイルム<4901>、バンナムHD<7832>、9日にかんぽ生命保険<7181>、ゆうちょ銀行<7182>、東京海上<8766>が発表を予定している。全般手掛かり材料が乏しいなか、7日のソフトバンクグループの決算と孫社長の発言が関心を集めることになるだろう。
今週の主な国内経済関連スケジュールは、6日に6月家計調査、6月毎月勤労統計調査、6月景気動向指数、7日に「JPX日経インデックス400」構成銘柄の定期銘柄入れ替え発表、7月29日・30日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、8日に7月景気ウォッチャー調査、6月国際収支、7月都心オフィス空室率、9日に4-6月期GDP(速報値)、7月マネーストック、オプションSQ、決算発表ピークが予定されている。
一方、米国など海外経済関連の主要スケジュールは、5日に米7月ISM非製造業景況指数、8日に中国7月貿易収支、9日に中国7月消費者物価、中国7月生産者物価、米7月生産者物価、シンガポール市場休場が予定されている。