中国の足元の景気は投資家の期待通りには回復していないようだ。4月の月次統計を整理すればおよそ以下の通りである。
・鉱工業生産は6.0%増で、前月と比べ0.8ポイント悪化、市場コンセンサスを0.5ポイント下回った。
・累計の固定資産投資は10.5%増で、前月累計と比べ0.2ポイント悪化、市場コンセンサスを0.4ポイント下回った。
・小売売上高は10.1%増で、前月と比べ0.4ポイント悪化、市場コンセンサスを0.4ポイント下回った。
・輸出は1.8%減で、前月と比べ13.3ポイント悪化、市場コンセンサスを1.7ポイント下回った。また、輸入は10.9%減で、前月と比べ3.3ポイント悪化、市場コンセンサスを5.9ポイント下回った。
・4月末のM2は12.8%増で前月末と比べ0.6ポイント下落、市場コンセンサスを0.7ポイント下回った。また、人民元新規貸出純増額は5556億元で、前年同月を1523億元下回り、また、市場コンセンサスを3444億元下回った。
・一方、累計の全国不動産開発投資は7.2%増で、前月累計と比べ1.0ポイント改善した。
並べてみるとよくわかるが、不動産投資を除き、すべての指標が前月と比べ悪化しており、また、エコノミストたちの予想を下回っている。問題は、こうした景気の下振れに対して、共産党は景気低迷を容認し、ひたすら供給側改革を進める方針を示していることである。