安倍晋三首相が議長を務める「人生100年時代構想会議」では、「80才まで働くことを考える」という発言まで飛び交った。年金受給開始年齢のゴールは実に「80才」という見方まであるのだ。
また、専業主婦は、夫が厚生年金に加入していれば、妻自身が保険料を払わなくても、「第3号被保険者」として国民年金を受給できるお得な仕組みがあるのだが、見直しが進みそうだ。
厚労省は2002年の年金部会で、(1)夫の厚生年金を妻と2分割、(2)第3号に保険料負担を求める、(3)第3号の年金給付を減額、(4)第3号の対象者を縮小していく──という改革案を提示した。以来、年金制度改革のたびに、保険料負担がないことは不公平だとして主婦を狙い撃ちにする「第3号」の廃止議論が高まってきた。北村さんが話す。
「今すぐ第3号が廃止されるとは考えにくいが、パート主婦への厚生年金適用拡大によって、実質的に第3号は減っていくとみています」
政府は、これまで保険料を払ってこなかった主婦層にも狙いを定め、年金の担い手を増やそうとしている。さらに、高齢者を働かせることで年金の受給開始年齢も引き上げようというのだ。年金の入口を増やし、出口を絞る先にあるのは、国民の負担増にほかならない。
※女性セブン2019年9月26日・10月3日号