今年6月、“年金だけでは老後資金は2000万円不足する”という金融庁の報告書が明らかになり、一気に年金不安が広がった。
会社員人生最後に受け取る大金をどうするかでも、老後は大きく変わる。退職金だ。老後資金の“虎の子”となるため、一括で受け取る「一時金方式」か、分割してもらう「年金形式」にするかで悩むところだろう。社会保険労務士の蒲島竜也さんがアドバイスする。
「一括で受け取る方がお得です。分割でもらおうとすると雑所得になるため税金がかかりますが、一括の場合、たとえば20年以上の勤務で退職金1000万円といった水準なら『退職所得控除』が適用され、少しの所得税だけで済みます」
その判断をするのは60才より前の「59才」の時になる。
「基本的には退職の半年から1年ほど前になると、会社から受け取り方を聞かれます。会社によって退職金の算出法や年金方式にした時の給付利率などが違うので、どちらが得か確認しておくことも大切です」(蒲島さん)
退職金のもらい方の判断が、老後の生活を大きく左右することになるので、見誤らないようにしたい。
※女性セブン2019年9月26日・10月3日号