料理が金融政策にも影響?
松井:国際機関が優れた人材を集めるには、それも重要なポイントかもしれませんね。
松田:笑い話ですが、ECBには、「フランクフルトにはあまり食べたい料理がないから、あなた一人で行って」と奥さんに言われて単身赴任しているイタリア人やフランス人職員も結構いるそうです。
松井:ということは、食べ物が金融政策にも影響しているのですね?
松田:元中央銀行員としては、イエスとも何とも言いづらいところです(笑)。
松井:ところで、私にお勧めいただいたこのスープ、とてもコクがありますね。
松田:これは『グラーシュ』といって、元はハンガリーのパプリカをたくさん使った料理ですが、EUにもユーロにも加盟しているオーストリアを代表する料理のひとつです。もともとウィーンは何百年にもわたってハプスブルク帝国の首都として広くヨーロッパに君臨しただけあって、料理も建築も絵画も音楽も、そして住んでいる人種も極めて多彩ですね。このトンカツのような『ヴィーナー・シュニッツェル』も、元はオーストリアがかつて治めていた北イタリアから持ち帰った料理ですよ。
松井:え、そうなんですか!? そこまで考えてこのお店を選んで下さったのですか? びっくりしました。
松田:いや、たまたま私の好みでもあります。ウィーンと言えば、何と言っても「カフェ文化」ですから、あとでクリームたっぷりのコーヒーと一緒に、皇后エリーザベトが好んだケーキも食べましょう。
松井:次回以降のお話やお料理が、ますます楽しみになってきました!
セントラル短資FXについて
金融機関同士が資金のやり取りをするインターバンク市場で、1世紀以上にわたって取引の仲介をしてきたセントラル短資。そのグループの一員として2002年に設立。安定した経営基盤や長い歴史で培った信用力をバックに、08年にはFX専業会社として初めて長期信用格付を取得。
【対象】長期発行体格付
【格付】BBB
【見通し】安定的
※株式会社日本格付研究所による信用格付。信用格付とは、格付機関が信用リスクを記号化して評価したもの(2015年7月末時点)。
新シリーズの1回目はいかがでしたか。私は美味しいお料理とヨーロッパのお話をすっかり楽しんでしまいました(本当に美味しかったんですよ♥)。今回意外なルーツを持つ料理をいただくことで、ユーロにはいろいろな国が参加していることが実感できました。
※「マネーポスト」2016年夏号に掲載