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若手芸人が語る“前説”のやり甲斐と難しさ 試される芸人力

 また、前説を担当する芸人は、その番組のメインの出演者と同じ事務所であることが多い。そのため先輩芸人へのアピールの場という側面もある。

 芸人にとってテレビに出ることは、大きな目標のひとつだ。しかし、前説はテレビには映らない仕事であり、完全な裏方である。だが、前説は若手芸人にとって、大切にしたい仕事のひとつだ。

「レギュラー番組の前説担当になれば、定期的に仕事が来るのでありがたいです。もちろんテレビに出ることが目標です。だから、前説が終わった後は必ず番組収録を見学して、どういう立ち振る舞いをすればオンエアされるのかを生で勉強させてもらっています。前説の芸人なのに楽屋があって、さらに弁当まで用意していただけるのは、本当にありがたいですね」

 収録を見学していてお客さんの反応が良く、それに触発されて出演者がみんな楽しそうにやっているのを見ると、少しでもテレビの仕事に携われてよかったと感じるという。

 気になるギャラについて聞いた所、「1回の収録で3000~5000円が相場」とのことだ。2週分の収録だとその倍貰えることもある。ただ、昨今のテレビ業界不景気で番組予算が削られており、前説を番組ADに担当させることも増えている。若手芸人にとって力を付ける場でもある前説が減っていくのは痛い話である。

■文/矢口渡(芸人ライター)

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