分配の余力がわかる「翌期繰越分配対象額」
しかし、今後も高い分配金が継続するかどうかはわからない。現在の分配金がどのくらい続くのか─。
その判断には、分配金を支払うための積立金「翌期繰越分配対象額」が参考になる。分配金は運用の収益から支払われるが、思うような収益が得られなかった場合には、この翌期繰越分配対象額を取り崩して分配をすることができるからだ。
翌期繰越分配対象額は、投信の運用報告書で確認することができる。
前述の「フィデリティ・USリートB」の場合、3月15日時点の翌期繰越分配対象額は、9498円だ。仮に運用による収益がゼロであったとしても、9498円÷100円(現在の分配金)で、計算上は94カ月間、これまで通りの分配を行うことが可能だ。
投信評価会社のモーニングスターのサイトでは分配余力を指定して投信を検索することができる。例えば投信のカテゴリーを「国際REIT型」にして、分配余力を「24カ月以上」で検索すると、67本の投信がピックアップされる(5月19日現在)。それを3年リターンでランキングすると、ドイチェ・グローバルREIT(中国元コース)がトップとなる。
日本を含む世界各国の取引所に上場されたリートに投資する投信だ。直近1年の分配金は1800円となっている。投信で高い分配金を狙うなら分配余力もチェックしよう。
※マネーポスト2016年夏号