投資情報会社・フィスコが9月30日~10月4日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。低調な米経済指標が相次ぐなか、連邦準備制度理事会(FRB)による予防的追加利下げが引き続きテーマとなりそうだ。消費者物価指数(CPI)はほぼ前回並みの水準が予想されるが、利下げ観測を弱める材料にはなりにくい見通し。10月1日に発表された米国の9月ISM製造業景気指数は、経済活動の拡大・縮小の境目である50を2カ月連続で下回り、2009年6月以来となる47.8に落ち込んだ。3日の同非製造業景気指数も悪化しており、今月末の連邦公開市場委員会(FOMC)に向け追加利下げ観測が一気に高まっている。
9日に公表される9月17-18日開催分のFOMC議事要旨は、市場の一部はタカ派寄りと解釈したが、FOMC声明には特に強気なトーンは含まれておらず一段の買い材料にはなりにくい。また、10日発表の9月CPIはコア指数も含め前年比ベースで横ばいの見通し。底堅い内容は好感されるものの、改善は確認できず利下げ予想は継続しよう。
一方、ユーロ圏も弱い経済指標から景気減速が鮮明になり、欧州中央銀行(ECB)の一段の金融緩和を想定したユーロ売りは継続。欧州連合(EU)からの合意なき離脱の可能性が残るなか、英国では景気減速が顕著で英中銀には利下げの主張も出始めた。金利先安観の台頭を意識してポンド売りが強まる可能性があり、欧州通貨売り・米ドル買いの動きが広がった場合、ドル円相場を押し上げる場面もありそうだ。また、10日から開催される閣僚級の米中貿易協議で何らかの進展が期待されており、米中対立の早期解消への思惑が広がれば、リスク選好的なドル買い円売りが強まる可能性があるとみられている。
【FOMC議事要旨】(9日公表予定)
9日に公表されるFOMC(9月17-18日開催分)は、10月追加利下げの可能性を探る手がかり。市場の一部は声明などをタカ派寄りと受け止めたが、議事要旨に強気なトーンが示されなければドル売り要因となろう。
【米・9月コアCPI】(10日発表予定)
10日発表の9月コアCPIは前年比+2.4%でインフレ率は前回と同水準と予想されるが、市場予想と一致しても予防的な追加利下げの思惑を弱める材料にはなりにくいだろう。