投資情報会社・フィスコが、株式市場の10月28日~11月1日の動きを振り返りつつ、11月5日~11月8日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は小幅ながら4週連続高となった。なお、10月月間では2カ月連続の上昇で、4月を上回り今年最大の上げ幅となった。
半導体のインテルなどの決算が好感されたほか、米中の通商合意「第1段階」成立が最終段階に入ったと伝わり25日のNYダウが反発した流れを受けて、週明け28日の日経平均も上昇のスタートとなった。高値警戒感や日米の金融政策、企業決算などを見極めたいとの思惑から上値追いの動きは鈍かったものの、東エレク<8035>が3%近く上昇するなど半導体、電子部品関連が上げ、堅調な展開を持続した。
欧州連合(EU)が英国のEU離脱期限の延長を認めたことを好感して28日のNYダウが続伸し、29日の日経平均も7日続伸となった。1ドル=109円近辺まで円安が進んだことも追い風となって取引時間中としては昨年10月以来、およそ1年ぶりに23000円台を回復する場面があり、終値としては7日連続で年初来高値を更新した。
29日のNYダウは、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとの思惑が先行して小幅反落となり、30日の日経平均も8日ぶりに反落した。前日に一時23000円台を回復したことで短期的な達成感が台頭し、利益確定売りが先行したほか、大引けにかけてはFOMCの結果発表を控え持ち高調整の売りが優勢となった。こうしたなか、通期業績予想を上方修正した富士通<6702>が大幅高、経営統合観測が報じられたケーヒン<7251>などホンダ系部品3社のストップ高が話題になった。
大方の予想通りFOMCで政策金利が引き下げられて、30日のNYダウは反発した。この米国株高を受けて31日の日経平均も上昇した。日銀による金融政策決定会合では、金融政策は現状維持となり、フォワードガイダンスの修正が決定された。イベント通過によるアク抜け感から日経平均は堅調となったものの、節目の23000円を前に上値の重さを意識する展開となった。個別では、イメージセンサー好調を背景に第2四半期業績が想定を上振れたソニー<6758>が4%高となった。