仮想通貨に詳しいジャーナリストはこう見ている。
「リブラの発行は、そもそも各国政府の通貨発行権という聖域を踏みにじる行為であり、世界各国の規制当局にとって容認しがたいことだ。いわばそれにケンカを売ったのだから、リブラを潰そうとする動きが加速するのは当然といえば当然だ。
主要国の規制当局がリブラに強い懸念を示すなかで、リブラ協会の創立メンバーに名を連ねた28社のうち、すでにEコマースのペイパルやイーベイ、クレジット会社のビザやマスターカードなど7社が脱退し、当初計画されていた2020年前半の発行も延期となり、リブラの未来はまさに前途多難に見える。
だが、リブラ協会はプロジェクトを諦めたわけではない。既存の法定通貨とそれを軸とする決済システムに問題があることは事実で、リブラがそれに風穴を開けると待望する声も少なくないのである」