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【日本株週間見通し】日経平均反落 今週は材料待ちの相場に

 注目されていたパウエルFRB議長の議会証言では、当面の金利据え置きが示唆された。しかし、米中交渉が農産物購入を巡って難航していることが伝わり13日の米国市場はNYダウが上昇する一方、ナスダック指数は反落とまちまちの展開になった。14日の日経平均は、1ドル=109円を割り込む円高となった為替相場を警戒し10月2日から3日以来となる続落となった。香港情勢の緊迫化に伴う中国株価指数の軟調展開や、10月の中国経済指標が弱含んだことが警戒された。個別では、経営統合で最終調整に入ったと報じられたLINE<3938>がストップ高比例配分、Zホールディングス<4689>も16%高となったことが注目された。

 14日のNYダウは米中合意への楽観的な見方が後退するなか、同値引け1日を挟んで6営業日ぶりの小反落となった。15日の日経平均は朝方寄り付き直後にマイナス場面があったものの、米政府高官による米中協議の合意について前進との報道や、時間外取引での米株価指数先物の上昇を受け、日経平均は先物主導で上げ幅を一時199円強に広げた。後場は小幅なレンジでのもみあいとなり、大引けの日経平均は161.77円高の23303.32円と3日ぶりに反発した。

 今週の日経平均は、心理的なフシとして働いている23000円を下値ラインとしてのもみあいを基本に、次のきっかけ待ちの相場展開が見込まれる。クドロー米大統領国家経済会議(NEC)委員長が記者団に対して、「終了していないものの、取りまとめに近づいている」と発言したことを受けて、15日の日経平均は先物から引き戻す展開となった。米中協議を巡ってはポジティブ、ネガティブなニュースが交錯しているものの、米中両国が何らかの合意に至るとの期待は根強く残っている。

 14日に掛けての続落で日経平均は約378円の調整幅を見て、短期的な高値警戒感は和らいだことから、この米中協議で具体的なポジティブ材料が浮上すれば、上値トライの期待が膨らんでくる。ただし、先物の売買などで日経平均が大きく振らされる場面が目立ち始め、株価変動率(ボラティリティー)がやや高まってきていることは気掛かり要因だ。

 香港情勢の緊迫化に伴い、香港ハンセン指数や上海総合指数の影響を受けて、日経平均は神経質な展開を見せているが、24日に香港区議会(地方議会)選挙を控えている点も懸念材料だ。

 このほか今週は、日米中ともに大きな金融政策イベントや経済指標の発表は予定されていないが、翌週は27日に米国経済指標(ベージュブックと10月個人消費支出)の発表を控えているのに加えて、28日は感謝祭で米国市場が休場となることから、手控えムードが出てくる可能性もある。

 一方、3月期第2四半期を中心とする決算発表が一巡したことを受けて、個別株物色が高まってくることが見込まれる。15日は週末ながらも一時を含めた東証上場(マザーズ・ジャスダック含む)銘柄のストップ高は17銘柄と14日の9銘柄から急増し、物色動向にうねりが生じ始めている。

 今週の主な国内経済関連スケジュールは、20日に10月訪日外客数、10月貿易統計、21日に9月全産業活動指数、22日に10月消費者物価指数が発表予定にある。

 一方、米国など海外主要スケジュールでは、18日に米11月NAHB住宅市場指数、19日に米10月住宅着工件数、米10月建設許可件数、20日に10月29日・30日開催のFOMC議事録、21日に米11月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米10月CB景気先行総合指数、米10月中古住宅販売件数が予定されている。

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