信越化学工業 (4063) 市場平均予想
企業概要
塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、半導体シリコン、希土類磁石などを主力商品とする化学メーカー。塩ビと半導体シリコンウエハーでは世界シェア首位。その他、世界高シェア製品を多く有しています。同社の米国子会社であるシンテック社は原料からの一貫生産を行う世界最大の生産能力を有しています。
【2015年3月期における同社のセグメント別売上比率】
塩ビ・化成品36%、半導体シリコン18%、電子・機能材料15%、
シリコーン14%、機能性化学品9%、その他関連8%。
【2015年3月期における地域別売上高比率:海外売上比率は72%】
アジア・オセアニア29%、日本28%、米国22%、欧州12%、その他9%
注目ポイント
同社の注目ポイントは原油価格の下落と円安の恩恵を受け、業績の堅調な拡大が期待できる点です。
2016年3月期第1四半期の業績は、売上高が6.6%増の3140億4300万円、営業利益が5.7%増の514億1000万円、経常利益が11.0%増の550億800万円、四半期純利益が14.3%増の376億3000万円。
自己資本比率が81.2%と財務基盤しっかり。
塩化ビニルは、住宅やインフラ整備に欠かすことのできない基本素材です。同社の米国子会社のシンテック社は米国住宅市場の回復時に需要を取り込むことに成功し、米国市場での売り上げは堅調を維持しています。
また、シリコンウエハは、スマホ、タブレット端末、自動車、家電など、様々な機器に搭載されている半導体デバイスの基盤となります。スマホや自動車関連デバイス需要の拡大に牽引され、半導体シリコン事業の売上高は15.1%増の626億3700万円、営業利益が50.7%増の118億8900万円と好調に推移しました。
シリコーンは自動車から化粧品まで幅広い分野に対応する素材で同社では5000種類以上の製品を有しており、当第1四半期は化粧品向けが特に好調でした。売上高は11.4%増の468億500万円、営業利益が12.2%増の102億1400万円となりました。
同社は塩ビ、シリコンウエハにおいて高い競争力を持っており、今後もスマホ・自動車関連の需要が増加することが予測されるところで、業績は拡大基調を維持すると見ます。
通期業績予想は、売上高が1.2%増の1兆2700億円、営業利益が6.3%増の1970億円、経常利益が6.0%増の2100億円、当期純利益が8.9%増の1400億円の見通し。年間配当金は10円増配の110円とする方針です。
もっとも、足もとの株価は大きく調整しています。まずは株価が底を打ち上昇転換のサインがでるのをじっくりと待ちたいところです。
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