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年金改正で繰り上げ受給時の減額率引き下げへ 5年で60万円増額

新制度では「60歳繰り上げ」でもらえる年金額がアップ

新制度では「60歳繰り上げ」でもらえる年金額がアップ

 ここでは特典1の年金アップについて見てみよう。

 年金の「繰り上げ」は受給開始年齢を1か月単位で選ぶことができる。そのかわりに65歳より1か月早くもらうごとに年金額が0.5%ずつ減額されていく仕組みだ。

 厚労省の標準モデルの「夫の年金」に相当する月額16万円のケースで計算すると、「64歳受給」を選べば約15万円(6%減)、「63歳受給」なら約14万円(12%減)、5年間繰り上げて60歳から受給開始すると最大の30%減額されて年金額は約11万円に下がる。長く受給できる分、金額が減らされるのである。

 だが、厚労省は社会保障審議会年金部会に提出した資料で、この繰り上げ時の年金減額率を引き下げる(1か月0.4%に縮小)ことを盛り込んでいる。

 実施されれば、モデルケースで60歳繰り上げ受給を選んだ場合の年金額は現在の月額約11万円から、改正後は約12万円へと1万円アップする。5年間で約60万円もの増額だ。

※週刊ポスト2019年12月13日号

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