投資情報会社・フィスコが、株式市場の12月2日~12月6日の動きを振り返りつつ、12月9日~12月13日の相場見通しを解説する。
* * *
先週の日経平均は小幅ながら2週連続の上昇となった。
週初2日の日経平均は3日ぶりの反発で始まった。11月29日のNYダウは5営業日ぶりの反落だったが、中国の11月製造業PMIが市場予想に反し、景況拡大と悪化の分かれ目となる50を7カ月ぶりに上回ったことが材料視された。為替相場の円安も寄与して、日経平均は寄り付き後に23500円台を回復して、その後は狭いレンジで推移した。富士通<6702>、ソニー<6758>、NTT<9432>など主力株に年初来高値更新が目立った。
反面、米国の11月ISM製造業景況指数が前月に引き続き節目となる50を割り込み、米製造業の不振が警戒されて2日のNYダウは続落した。3日の日経平均も反落した。米国と中国およびブラジル等との貿易摩擦の懸念が拡大し、為替も円高方向に振れたことが嫌気された。ただ後場は、11月21日以来となる日銀のETF(上場投資信託)買いもあり下げ渋る展開となった。個別では、中国テンセントが家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」に関する情報を4日に公開と伝わり、任天堂<7974>が売買代金トップで2%超の上昇を見た。
トランプ大統領が貿易摩擦を巡る米中協議の合意に期限はなく、2020年度の大統領選後まで延期できるとの考えを示唆したことで、3日のNYダウは3日続落となった。この流れを受けて4日の日経平均も続落し、朝方には一時23044.78円(前日比335.03円安)までの下落となった。ただ、2日連続で日銀のETF買いが流入し、売り物一巡後はもみあう展開となった。
米国が15日より前に米中通商協議における第一段階の合意を見込んでいるとの報道を受けて、4日のNYダウが4営業日ぶりに反発すると、5日の日経平均も反発した。日経平均は前日までの続落で400円近く下げていたこともあり、買戻しの動きが強まったほか、政府が提示した経済対策も追い風として働いた。ただ、朝方の買い一巡後は上値が重くこう着感の強い展開が意識されることになった。
5日のNYダウは、週間新規失業保険申請件数が予想より減少し、10月製造業受注も増加に転じたことが好感されて小幅続伸した。この流れを受けて6日の日経平均は上昇した。週末を控えて買い一巡後は模様眺めムードが広がり、売買代金は3日ぶりに2兆円を割り込んだ。ただ、前日に閣議決定された経済対策が下支え要因として働いた。個別では、米バイオジェンが、3月に打ち切ったアルツハイマー治療薬の研究再開計画を発表したことで共同開発先のエーザイ<4523>が商いを伴って急騰したことが話題になった。大引けの日経平均は前日比54.31円高の23354.40円だった。