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「アニメで町おこし」、“聖地巡礼”客の急増で現地に困惑も

 アニメ聖地巡礼の“元祖”といえるのが女子高生4人組の日常を描いた『らき☆すた』(2007年放送)だ。

 舞台の1つになった鷲宮(わしのみや)神社(埼玉・久喜市)の初詣客(1月1~3日)は放送前の2007年に13万人だったが、放送3年後の2010年には3倍以上となる45万人を超え、その後も47万人台で推移している(2017年5月公表の日本政策投資銀行のレポート)。

 一方で、急激な観光客の増加は、現地に困惑も引き起こしている。前述の沼津市で作品に登場する女子高のモデルとなった中学校に足を運ぶと、校門前に〈学校用地へは無断で入らないでください〉と記した張り紙がある。

 地元住民に話を聞くと、「熱烈なファンが無断で敷地内に立ち入ったり、生徒が写り込むような写真を撮影したりしたことがあり、トラブル回避のため張り紙をするようになった」という。海外から訪れるファンも多いのか注意書きには英訳文も添えられていた。

 作品に登場する飲食店などでは放送前と比べ3倍近い客入りを喜ぶ声がある一方、「ファンが乗ってきた車を停めきれず、隣のお店の駐車場にまで溢れてしまった」(店主の1人)と困惑する声も聞かれた。

 ただ、もたらされる経済効果は大きいだけに、地元では観光客誘致につながるような様々な策が講じられた。地元企業や商店が費用を出し、市内商店街のアーケードには登場人物を大きく描いたタペストリーが掲げられ、商店前にはポスター、フィギュア、キャラクターの等身大スタンドなどが設置されるようになった。登場人物が描かれたラッピングバスも町を走る。

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