実際どれくらいお得なのか。
「イデコの場合、年収430万円の夫と年収127万円以下のパート主婦の40才夫婦で、夫が月々2万3000円、妻が2万円積み立てた場合、20年間で156万円節税できます。利回り3%で運用できた場合、夫婦の資金は1411万円となり、(1)と(2)と(3)のメリットで節税できたお金を合計すると、20年間で532万円余りも得します(別掲グラフ参照)」
長期投資では、運用で得た利益を元本に加え、翌年も自動的に再投資し、それにまた運用利益がつく「複利」の効果が見込める。そのため、雪だるま式に増える。
「イデコでも、つみたてNISAでも、毎月3万3000円を20年間5%で運用した場合、元本792万円に対して最終的に積立額は1356万円にもなります。両制度ともに運用益への課税112万円がかからないので、564万円も得をします」
どちらを選ぶか悩ましいところだ。
「老後資金を積み立てるなら、イデコの圧勝だといえます。生活費を圧迫しない範囲で、できれば上限いっぱいまでイデコで積み立てたいところです。理由の1つ目は、つみたてNISAの税優遇が(2)の運用益に限られる一方、イデコは3つも優遇があること。特に、働いて収入を得ている人にとって、所得税控除のメリットは大きいです。2つ目は、つみたてNISAが最長20年までしか運用できないのに比べ、イデコは20才から始めれば最長40年も長期運用できることです」
そのうえで、余裕があるならば、いつでも引き出せるつみたてNISAを始めるのも手だ。教育資金や住宅資金など、中期の資金づくりに適している。
※女性セブン2020年1月1日号