個別マフラータオルの価格が高くなるワケ
おおまかな“相場”はあるものの、グループによって価格が微妙に異なるアイドルのグッズ。どういった理由があるのだろうか。前出の大塚氏が解説する。
「まず、Tシャツについてはプリントの柄や生地、どういったインクで印刷しているかなど、ディテールの違いで価格も変わってきます。メンバーがこだわってデザインしたTシャツもありますね。
ペンライトについては、機能の部分で値段が変わってきます。出せる光の数も違うし、遠隔操作できるものなどもあります。また本体部分の形が特別仕様になっていることもあって、そういうものは当然高くなる。ただ単に書いてあるグループの名前が違うだけのグッズではないので、それぞれ価格も変わってくるということです。
また、面白いのは乃木坂46のマフラータオルの価格。ツアーのタイトルが入ったマフラータオルより、各メンバーの名前が大きく入った個別マフラータオルの方が500円高くなっています。現場では個別マフラータオルの方が人気のようで、そのタオルを首に巻いたり振ったりして、“推しメン”であることをアピールするグッズになっていますね。メンバー全員分の個別マフラータオルがあるので、何十種類も販売されていることになります。種類が多いと1種類あたりの製造数も少なくなり、製造費の単価は高くなってしまうので、その分グループ全体のマフラータオルより高くなっているのではないでしょうか」
サイズも単価も異なる生写真
また、生写真の価格や販売方法についても、各グループで特色があるという。
「たとえば、ジャニーズのグループの場合、生写真はL判で1枚160円で、数枚のセットで販売されることが多いですね。また、乃木坂46とAKB48グループの場合はL判の写真がランダムに5種類入って1100円で販売されています。ももクロもL判5枚ランダムセットで1000円という販売方法が多いです。
一方、モーニング娘。などのハロー!プロジェクトでは、ツアーグッズで販売される多くの生写真がL判の倍の大きさとなる2L判で、1枚あたりの単価は250円。2枚組500円のセットで販売されることが多いです。またそれとは別に、ランダムのL判生写真が1枚500円でも販売されていて、こちらはスリーブと呼ばれる専用ミニホルダーが付いています」(大塚氏)
微妙ではあるが、価格の差があるアイドルのグッズ。それぞれのグループのファンは“得している”“損している”という感覚はあるのだろうか。
「アイドルファンたちは、なんとなく“あっちの運営はグッズが安い。こっちは高い”みたいな感覚は持っていると思います。でも、ファンにとって、グッズを“買って集めること”自体が大きな楽しみ。“とにかくグッズはできるだけ買う”といった気持ちで、1回の会計で2万~3万円分のグッズを買うようなファンも少なくない。正直なところ、価格はあまり気にしていないのかもしれません。“多少高くても買ってしまう”というのがアイドルファン心理なので、よっぽど相場をかけ離れた額ではない限り、多くのファンは許容すると思います」(大塚氏)
価格を忘れるほどにファンに喜びを与えるアイドルのグッズ。アイドルファンにとっては本当に重要な存在だと言えそうだ。