今年4月1日から適用される制度改正によって、経済的要件と成績要件をクリアすれば、大学や短大、専門学校といった高等教育機関の、授業料と入学金が支援される。
例えば、国公立大学の場合、授業料相当の約54万円が全額免除。私立大学では、最大約96万円まで減額され、そこで足りなくても返済不要の給付型奨学金制度を使えば、最大で約91万円まで学費や生活費が支給される。
うまくいけばこれで、社会問題になっている奨学金の長期返済問題を解消できる。ただし、所得制限が厳しく、住民税非課税世帯とそれに準じる世帯で、資産も生計維持者が1人の場合は1250万円未満、2人の場合は2000万円未満と定められている。
成績も審査の対象で、高校の成績が5段階評価で平均3.5以上、あるいはレポートや面談などで学習意欲の高さが認められる者のみとなる。大学入学後も、成績や出席状況について厳しい要件が定められている。ファイナンシャルプランナーの大竹のり子さんはこう語る。
「注意すべきは、対象世帯でもすべてが無料になるわけではないこと。支給されるのは授業料と入学金だけで、それにも上限があります。上限を超えてしまった場合は、自分で払うことになります。特に、私大生のひとり暮らしは、トータルの支出が年間200万円以上かかるとされ、上限額で支給されても、足が出るでしょう」
いずれにしても、給付がおりるまで時間がかかるため、入学時にはすべての費用を立て替える必要があるため、あらかじめまとまったお金を用意しておかなければならない。制度をアテにして費用のかかる私大のひとり暮らしコースだけに選択肢を絞るのではなく、お金のかからない道も用意しておいた方が得策だ。
※女性セブン2020年1月16・23日号