今年4月からの診療報酬改定により、紹介状なしで大病院を受診する場合、初診だと5000円以上、再診でも2500円以上が上乗せ請求されることになった。医療費アップに打ち勝つための節約健康術について、経済アナリスト・森永卓郎氏が解説する。
* * *
家計にかかわる点で注目すべきは、医療制度の変更です。診療報酬改定により、紹介状なしに大病院にかかると、初診料以外に5000円以上支払わなくてはならなくなりました。
すでに2年前の改定で、入院日数が長くなるにつれて診療報酬が下がる制度が導入され、入院してもすぐに追い出される傾向が強くなっていました。そこに今回、もはや大病院には「極力来るな」といわんばかりの制度変更が行なわれたのです。
われわれにできる対抗処置としては、自分の身は自分で守る、すなわち「病気にならない」ことでしょう。私がこれまでに会ったすべての医師が口を揃える病気にならない対策は、「腹八分目かつ適度な運動」です。これは節約にも通じ、腹八分目の食事を実践しただけで、食費を2割減らせるわけです。
また、病気にならないための適度な運動として、多くの医師が一番簡単で一番効果が高いと口を揃えるのは、早歩き。競歩みたいな感じで早く歩くのです。
私は「ライザップ」の指導による糖質を制限した食事改善とジムでのトレーニングの結果、持病の糖尿病が改善し、月1万円程度かかっていた注射代や薬代がいらなくなり、結果的に医療費の節約につながりました。
ただし、糖質を制限し、肉などのタンパク質を多く摂る食事に変えると、どうしても食事のコストがアップしてしまう。そこで、糖質制限をしながらも安くお腹を満たす方法として、私が実践したのが豆腐の活用です。
豆腐といっても実はその価格には物凄く格差があるのですが、私の事務所の近くのスーパーでは、普通の豆腐の倍ぐらいある巨大な豆腐が3丁90円と無茶苦茶安く買えるので、それが今の私の主食となっています。メニューとしては、冷奴、豆腐サラダ、豆腐鍋、豆腐ステーキ、麻婆豆腐など。工夫をすれば、意外と毎日バラエティ豊かな食事が楽しめます。
※マネーポスト2016年夏号