投資情報会社・フィスコが、株式市場の1月6日~1月10日の動きを振り返りつつ、1月14日~1月17日の相場見通しを解説する。
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2020年相場のスタートとなった先週の日経平均は波乱の幕開けとなった。
まず、年末年始の米国市場を振り返ると、昨年12月31日のNYダウは、トランプ米大統領が米中貿易協議の第1段階の合意について1月15日に米国で署名式を開く意向を表明し、76.30ドル高の28538.44ドルで2019年の取引を終了した。
1日の休場を経て新年2日のNYダウは、中国人民銀行による預金準備率の引き下げ発表が好感されて、330.36ドル高の28868.80ドルで新年のスタートを切った。しかし、米軍がイランのソレイマニ司令官を空爆で殺害したことが明らかとなり、中東情勢の緊迫化への懸念から売りが先行した3日のNYダウは233.92ドル安の28634.88ドルと3営業日ぶりに反落した。
この流れを受けて大発会6日の日経平均は、昨年末比451.76円安の23204.86円と3営業日連続安、2年連続の大発会安の始まりとなった。為替相場が一時1ドル=107円台まで円高方向に振れたことも嫌気されて508.09円安まで下落する場面もあった。ほぼ全面安商状となるなか、地政学リスクの高まりで海運株に売りが目立った。対照的にJXTG<5020>などの原油高関連、石川製作所<6208>など防衛関連が逆行高に向いた。
6日のNYダウが引けにかけて上昇に転じ、円相場も円安となったことから7日の日経平均は4営業日ぶりに反発した。個別では自動運転EVのコンセプトカー開発を発表したソニー<6758>が売買代金トップで3%の上昇となったことが注目された。
中東の地政学リスクと10-12月決算シーズンを前に様子見ムードが広がり7日のNYダウは反落した。8日の日経平均は朝方にイランが駐イラク米軍基地を攻撃したことが伝わり大幅反落となった。原油先物相場が急伸し、円相場も一時1ドル=107円台後半まで上昇するなどして前日比624.54円安まで下げる場面があった。ただ、イランのザリフ外相の発言などから一段の状況悪化は回避されるとの見方が広がり、後場の日経平均は下げ幅を縮めた。6日に続いて日銀のETF(上場投資信託)買いも流入した。