さらにBさんは、その後もこの件についてイジられているという。
「その時の会話のインパクトが強かったのか、その取り引き先の男性は、ことあるごとに『Bさんは、流行りものとか見ないタイプなんですよね』といった感じでイジってくるようになりました。この男性には悪気はないのかもしれないけど、ちょっとした“変人扱い”なので、気分は良くない。仕事上付き合っていかなくてはならないので、ちょっとストレスも感じています」
また、有名作品が好きかどうかが、仕事に影響を与えることもあるようだ。30代の女性会社員・Cさんのケース。
「上司がすごくマンガ好きで、特に『ONE PIECE』が好き。私はそこまで詳しくないのですが、日頃から『ONE PIECE』の話をよくされて、困ってしまうことも多い。でも、別の同僚は『ONE PIECE』が大好きで、彼の方は上司にものすごく可愛がられている。そういったところで疎外感を覚えることはあります。実際、社内では『ONE PIECE』は読んでいて当たり前みたいな空気もあります」
有名作品なら当然誰もが知っているだろう……という認識を持つ人とのコミュニケーションに悩む人は少なくないようだ。
仕事のためだと思って割り切って有名作品を見る人も
一方で、コミュニケーションを潤滑にするべく、有名作品を“とりあえず見る”という人もいる。30代の男性会社員・Dさんはこう話す。
「仕事上いろいろな人と会う機会も多いので、会話のネタにするためにも有名作品はとりあえず見ることにしています。まったく面白く感じないものもありますが、それで会話が弾むなら、メリットは大きい。
また、そうやって“とりあえず”見たことで、どっぷりハマったしまった作品もあります。マーベル・シネマティック・ユニバースなんかは、まさにそれですね。意外な発見もありますし、好みでなくても、いろんな作品に触れるのは、決して悪いことではないと感じています。でも、割り切って有名作品を見るのは、あくまでもその話題を振られたときのため。個人的には、“有名作品は知っていて当たり前”みたいな感覚はなくなってほしいと思っています」
映画やドラマを見るのは個人の自由。もちろん、その作品を好きかどうかというのも個人の自由だ。だが、誰もが知っている有名作品を見ていないと、様々なストレスを抱える局面も少なくないようだ。