投資戦略を考えるうえで、こんな「教訓」もお伝えしておきたい。
米国ではジョージ・ソロス氏の右腕と称される伝説のファンドマネージャー、ドラッケンミラー氏が金で大儲けする一方、一時は100トン近くも金を保有した著名なヘッジファンドのポールソンが昨年10~12月期、つまり金が上がる前に耐え切れず売却したことが明らかになっている。
かつてリーマン・ショックでも負けなかったとされる海千山千のヘッジファンドでさえ、短期売買で勝てない以上、下手な売買はすべきではない。それだけはぜひ頭に入れておいてほしい。
株にしろ、為替にしろ、そして金にしろ、たとえ長期上昇トレンドが見えても、上げ下げを繰り返しながら水準を切り上げていくものだ。一本調子でいつまでも上がり続ける相場など、どこにもない。
だからこそ、こと金投資においてはコツコツと「純金積立」をしておいて、長期保有することが鉄則なのだ。日頃はそうしておいて、この先、ある程度の相場観を持てるようになったら、「純金積立」にはまとまった資金で買い増すことができる「スポット購入」という方法もある。何事も焦らないことが、将来の大きな成果につながるはずだ。
※マネーポスト2016年夏号